「スロヴァキア共和国」シルクロードを放浪した2006年の旅行記

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ラピュタは本当にあったんだ!(2006/07/01-02)

時間になったので、駅にいきスロヴァキア第2の都市である"コシチェ Kosice"行きの夜行列車に乗る。この列車はハンガリーのブダペストが終着駅となるので、途中下車だ。ぐっすり寝ていると、降りそこねてしまう危険性があるので、到着時間を聞いておいた。着くのは早朝5時頃だそうだ。座席はコンパートメント式になっていたが、幸い乗客が少ない。僕ら二人でコンパートメントを占有することができたので、セキュリティーも問題なく、おまけに横になって寝ることもできたので、実に快適だった。雨が降った後で、7月というのに長袖でも寒い事を除いては。

スロヴァキア第2の都市コシチェ スロヴァキアのコシチェの様子夜行列車での国境越えは実に簡単だ。ポーランドの出国審査官と、スロヴァキアの入国審査官が同時に乗り込んできて、その場でスタンプを押してくれる。パスポートには、随分と各国の入出国スタンプが増えてきて嬉しい。
コシチェ到着前、早朝4時半頃になったので、起きて列車を降りる準備をしている時に、車掌がやって来たので切符を見せると、何やら妙なことを言う。こちらが変な顔をしていると、紙に10EUROと書いて見せてきた。追加料金がどうのこうの言ってるようだ。何故追加料金とられるのか理解できない。『なぜ?』と聞くと、コンパートメントを占有したからという、理屈に合わないことを言ってきた。それを言うなら他の乗客も全員取られなければならないだろう。怪しいので、素無視していると諦めて去っていった。
駅を降りると、先ほどの車掌が駅前を歩いている。服が普段着に変わっているが、間違いない!あの顔はさっきの車掌だ。こちらに気がつくと、逃げるように去っていった。どうやら、偽の車掌だったらしい。なんとまあ手の込んだ詐欺だ。

スロヴァキアで行きたい所はただ一つ。スピシュ城だ。そこは東方から攻めてくるチンギス・ハーンの来襲に備えて1209年から建造が始まった、小高い丘にそびえる巨大な城。是非とも行って見たい。
日本から持ってきていた、ガイドブックの地球の歩き方をみると、コシチェからスピシュ城のある、"スピシュスケー・ポドフラディエ Spisske Podhradie"に行くバスがあるという。その為に、コシチェに来たのだ。バスステーションに行きスピシュ城までのタイムスケジュールを見てみると・・・・、無い!スピシュにはバスが出ていない!また騙された。これで何度目だろうか、地球の歩き方に煮え湯を飲まされるのは。地図が途中で切れていたり、まったく料金が違ったり、店の大半が潰れていたりと、実に楽しいガイドブックだ。写真が沢山載っているので、訪れる場所のイメージがわきやすい以外は、あまり役に立たない。インフォメーションで聞く事がほとんどになってしまう。バックパッカー内で言われている別名は"地球の迷い方"という。こんなに過去に何度もしてやられているのに、何故かいつも歩き方を持っていく。本の薄さが好きなのかもしれない。軽いし。ロンリープラネットは辞書みたいに太くて重いから敬遠してしまう。まあ、おかげで面白い経験を沢山したので、よしとしよう。

バスが駄目なら、鉄道で。駅の窓口で、スピシュ城までの行き方を教えてもらって、切符を買う。料金は84スロヴァキア・コルナ(320円)めんどくさいけど、乗り換えしなければならない。

田舎町の風景の続く鉄道を一時間ほどの所にある、Spisske Vlachyという駅で降りて、そこで単線のしかも一車両しかない列車に乗り換える。こんな超ローカル線に乗ったのは初めてだ。トコトコとゆっくりと進む。
スピシュ城雄大な姿が特徴のスピシュ城のどかな風景を楽しみ、谷あいの森を抜けると、見えてきた!雄大なパノラマの風景の中に、異様な存在感でそびえるスピシュ城だ。緑の生える小高い丘の上にあるので、余計に巨大に見える。こんな田舎町に、歴史ある巨大建造物というミスマッチが良いのだろう、思わず感嘆の声をあげてしまった。建造物で感動したのは、カンボジアのアンコールワット以来だ。見れば見るほどよい、まるで天空の城ラピュタみたい。

小高い丘にあるスピシュ城街のどこからも見られるスピシュ城町の人も素朴で良い人ばかり。町を歩くと、『Hello!』と声をかけられる。顔つきもよく見ると、人種が変わってきている。トルコ系やアジア系が混ざっているような気がする。まるで、ウズベキスタンに戻ったような感覚に陥った。本当に来てよかった。スピシュ城からの眺めスピシュ城内の景色