「チェコ共和国」シルクロードを放浪した2006年の旅行記

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プラハへ(2006/07/06-07)

思いのほか、居心地がよくスピシュに予定外に長く滞在してしまった。他に移動するにもスロヴァキアはココ以外に行きたい所も見つからないので、チェコに行ってしまおうと思う。ココは田舎町、当たり前に国際バスなんぞ出ていない。なので、バス停に行き、国際バスが通る"レヴォチャ Levoca"という街に移動する。近郊なので、それほど遠くない。バスで20分ほどだ。

城壁で囲まれたレヴォチャの街の外にあるバスターミナルに着き、バスのスケジュール表を見ていると、夕方にチェコの"プラハ Praha"行きのバスが出ているようだ。さっそくチケットを買おうと思い、辺りを見回しても、チケット売り場らしきものは無い。バス停の横には、普通のマーケットが一軒あるだけだ。ガイドブック"地球の迷い方"には何も書いていないし、どうすればいいのかわからない。とりあえず、街の中心にあるインフォメーションに行き、そこで聞いてみることにした。

インフォメーションの愛想無いオバさんによると、チケットは旅行会社で買えと言う。すぐ近くにあるというので、行ってみると、小さな旅行会社だったが、端末で簡単に座席まで選べて買うことができた。しかも学割で30%OFF、プラハまで420スロヴァキア・コルナ(1650円)だ。

プラハ行きの国際バス出発の時間まで、レヴォチャの街を観光する。しかし、小さな街なので、見所があまり無い。あえて、見るとすれば、世界最大の聖壇がある聖ヤコブ教会くらいだ。そこはたしかに、一見の価値はあった。後で見たプラハ城にある聖ヴィート大聖堂よりも良かったと思った。しかし、この街には見所が聖ヤコブ教会しかないといってもいい。これを見てしまうと途端にやることが無くなった。あとは暇だったので、飯食って、ネットカフェに行き時間を潰した。

夕方になり、国際バスに乗り込む。バックパックをトランクに載せると、荷物料として20スロヴァキア・コルナ(75円)取られた。荷物代を別に取るなんて、結構ケチだな。
国境に着くと、パスポートチェックに審査官が乗り込んできた。他の乗客は皆、チェコかスロヴァキア人だったらしく、身分証明のチェックだけで済んでいたが、僕らには、審査官から『一緒に来て』とバスから降ろされ、別途で入国審査しなければならなかった。とはいっても『どういうルートで来たのか?』など簡単な質問をされただけで、問題なく入国スタンプを押してくれた。
欧米人特有の体臭が充満するバス車内の空気に耐えながらも、なんとか1時間ほど睡眠をとることができ、朝の5時30分にバスはプラハに到着した。

プラハでの宿泊費は、予想していたよりも安い。夏季の間、学生寮を開放しているところがあり、一泊ツインで500チェコ・コルナ(2500円)だ。ここで2泊することにした。

プラハの街並みチェコプラハ寝不足な上に、風邪気味で疲れていたが、まだ午前中。今日は寝転んでいるだけ、、、ではあまりにも味気ないので、そのまま観光に出かける。プラハは、この時期観光客が一杯だ。360°どこを見てもツアー観光客、特に何故か韓国人が多い。だから、プラハの街並み自体は悪くないのだが、エストニアのタリンなどと比べると、中世の街を歩いているというような情緒は全く感じられない。

プラハの天文時計チェコ・プラハ 火薬塔それと、チェコは他の今までに見た中欧とは違う。西欧に隣接しているだけに、影響が強いのだろうか、物価が高い。特に食料品が高くなった。500mlのコーラが170円、観光場所の入場料も1,000円前後する。しかし、嬉しかったのは生ビール・中ジョッキが120円で飲める事。ビール大国のチェコならではのピルスナーを飲んだ。本当に美味しい。樽から直接注ぎ込むビールは、ジョッキの上に出来るきめの細かい泡は、時間が経っても消えない。飲むと意外に飲みやすく、グイグイと飲めてしまう。飲みやすいのに、日本のビールよりもアルコール度数が高いので、たった中ジョッキ一杯で酔ってしまった。チェコのビール

チェスキー・クルムロフ(2006/07/09)

プラハの街並み事態は悪くないけど、観光客が多すぎてあんまりノンビリとはいかない。物価も高い!なので、2日滞在しただけで、プラハを離れることにした。行き先はチェコの地方都市"チェスキー・クルムロフ Cesky Krumlov"1992年に世界遺産に登録された美しい街らしい。インターネットの情報でもオススメらしいので、行きたくなった。

それにしても、チェコの交通の意地悪さときたらどうだ。地下鉄・バス・トラムとも共通の切符を使うことができる。ここまではいいが、悪いのがその切符の販売が券売機でしか売っていない事。その券売機自体が小額のコインしか受け付けず、お札は入らない。切符を買うたびに、どこかのお店で両替してもらうか、買い物してくずさなければならない。駅の窓口では、両替や切符売りをしていないからだ。非効率すぎて意味がわからん。もう、それだけでプラハの印象が悪くなった。

チェスキー・クルムロフには、初めバスで向かおうと思っていたが、前述したことで、もたつきバスに乗り遅れてしまった。次の出発のバスは夕方しかない。しかたなく、料金が高くなるが鉄道で行くことにした。チェスキー・クルムロフ駅まで4時間,276チェコ・コルナ(1450円)

夕方にチェスキー・クルムロフに着いた。外は雷を伴った大雨だ。急いで宿に行く。泊まるところに決めた宿は、内部が木造の雰囲気のあるドミトリーだ。一人300チェコ・コルナ(1,600円)、ドミトリーにしては高めだが、他に当てがないからしかたがない。一部屋20人ほどの大部屋のドミトリーは久しぶりだ。

チェスキー・クルムロフの街並みチェスキークルムロフ城チェスキー・クルムロフの街並みは、大きくS字を描いて流れるヴルタヴァ川に抱かれるように、そのS字にすっぽりと入った小さな街だ。13世紀~16世紀に造られた石畳の街並みが今も残っている。でもすでに、観光シーズンに入ってしまった。世界各地から来る観光客が沢山。やはりこういう田舎町の街並みを楽しもうと思ったら、オフシーズンに来るべきなんだろう。そうしないと、どうもテーマパークに来ているような感覚になってしまう。もともと落ち着いた良い街なんだけど、人が多いと台無しだ。

チェスキー・クルムロフチェスキー・クルムロフの川宿に戻ると、ドミトリーで同室のチェコ人女の子が日本語を話せることに驚いた。大学で日本語を勉強して、日本にも3週間行ったとは言っていたが、それにしても、ペラペラなのがスゴイ。教え方が上手かったのか、努力の賜物なのか・・・。英語教育を10年も受けたのに、片言の英語力しかない自分が情けなくなった。もっと勉強しておけばよかったなぁ~、まさか英語をこんなに使う時がくるとは思っていなかった。
女の子が『大阪は良い所でした』と言ってくれたのが嬉しい。それにしても、何処がよかったのだろう。コンクリートで出来た大阪城なんてショボイしな、食事か?たこ焼きとか旨いからな・・・たこ焼き、食いたいなぁ~

ペンション老夫婦(2006/07/11)

チェスキー・クルムロフで泊まった宿、HOSTEL99(ドミトリーで感じの良い所でした)を出て、バスに乗り近郊の"チェスキー・ブディェヨヴィツェ Ceske Budejovice"に行く。なぜなら、次の目的の場所はオーストリアのウィーンだからだ。クルムロフでも、ウィーン行きのバスは出ているが、一便しか出ていない。此処よりも大きな街であるブディェヨヴィツェの方が、沢山ウィーン行きのバスが出ているだろうと予想して、チェスキー・ブディェヨヴィツェに向かった。クルムロフからはバスで1時間の距離だ。

ブディェヨヴィツキー・ブドヴァルチェスキー・ブディェヨヴィツェ Ceske Budejovice,ここは実はビールで有名な街。街の名前を冠したビール"ブディェヨヴィツキー・ブドヴァル Budejovicky Budvar"はピルスナーと同様にチェコ全土で愛飲されている。ドイツ語名は"ブドバイザー・ブドヴァル Budweiser Budvar"そう、アメリカのビール"バドワイザー"のルーツがここにある。飲んでみると、軽い飲み口でグイグイいける。かなり飲みやすく、ピルスナーとはまた違ったキレ味がある。そして安い。ピルスナーは500ml,25~30チェコ・コルナ前後だが、ブドバイザーは20チェコ・コルナ(100円)以下だ。

ブディェヨヴィツェに着き、バスターミナルでウィーン行きのバスを調べてみると、全く見当たらない。窓口で聞いてみると、信じられないことにウィーン行きは無いと言われた。思い切り予想が外れてしまった。またクルムロフに戻るのもシャクなので、それならば鉄道はどうだろうと見に行く。駅のインフォメーションで聞いてみると、1日2便,朝と夕方に出ている。夕方出発だと、深夜に着いてしまうので、行動しにくい。なので、明日の朝出発の列車で行くことにした。料金はウィーンまで821チェコ・コルナ(4,350円)と高かった。それに加え、必然的にブディェヨヴィツェで一泊しなければならなくなった。また無駄に金が消えていく。

今夜泊まる宿を探さなけらばならない。インフォメーションで聞いた情報で、駅裏にあり、一番近く一番安いペンションに行く。地図で教えてくれた場所に行ってみると、普通の住宅街だ。よく一軒一軒探してみると、小さくPENZIONと書かれた家が見つかった。もうすこしで、気がつかずに諦めるところだった。
ドアは閉まっているのでチャイムを押すと、お爺さんが『何だ?』と2階の窓から顔を出してきた。残念ながら英語が通じないので、あたふたしてると今度はお婆さんが顔を出してきた。身振り手振りで、今日泊まりたいことを伝えると、なんとか解ってくれた。ココはあまり、お客さんが来ないみたいだ。趣味でペンションやっているのだろうか、部屋は大きなバスルームにTVも着いて綺麗な部屋なのに、二人で560チェコ・コルナ(2,900円)と非常に安い。お爺さんもお婆さんも、親切でかなり良い人だ。部屋の設備について、一つ一つ、それはもうゆっくりと説明してくれた。頼んでいないのに、ラジオも持ってきてくれた。ありがたい事に身振り手振りで本日の気温まで教えてくれた。なんかこういうの、心温まるなぁ。

ブディェヨヴィツェには、見るべきところは特に無い。ビールを飲んで楽しむぐらいだろう。それでもペンションの居心地が良いので、しばらく滞在もいいかなと思ったが、鉄道切符と宿代を払ってビールを飲んだら、手持ちのチェコ・コルナが綺麗に無くなったので、明日はウィーンへ。