「中華人民共和国編(雲南省)」シルクロードを放浪した2006年の旅行記

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ベトナム"ラオカイ"から中国"河口"へ 国境越え(2006/03/11)

早朝4時半に起きる。ハノイは6日前に来たときと同じで、相変わらず雨が降っている。結局ハノイに来てから一度も太陽を拝むことはなかった。まだ、朝日も差さない真っ暗な中を、霧雨のシャワーに打たれながらハノイ駅へ向かう。厳しいのは昨日の予約でベットはもとより、ソフトシートすら取れなかったことだ。問答無用で木で出来た椅子に座るしかない。

 6時15分に列車は発車した。予定では15時30分に到着する予定。およそ9時間、まるで拷問だ。椅子は向かい合わせで4人ずつになっていて、相席になったベトナム人は慣れてるらしく、酒や食料・果物など沢山持ち込んで、僕らにも振舞ってくれた。

水牛で耕作して手で苗を植えている様子 それにしても、どの人もタバコの灰や食い散らかした残飯などを床にガンガン捨てていくので、さながらゴミ捨て場に座ってるような感覚。何度か車掌のおばさんがホウキで掃きに来るが、すぐに汚くなる。そのような状態でも何時間かは寝ることが出来た。また救いだったのが、窓から見える景色が本当に田舎の田園風景で、ちょうど田植えの時期らしく、家族総出で機械類は一切つかわない水牛で耕作して手で苗を植えている様子をずっと見ることができたのが嬉しかった。

 ベトナム側の国境の町"ラオカイ"に到着したのは、なんと一時間半遅れの17時だ。もう日が傾き始めている。急がないと国境が閉まってしまうかもしれないので、徒歩でも行けない距離ではないが、バイクタクシーを使いイミグレーションまで急いだ。

ベトナム・中国の国境 国境前では闇両替たちから声をかけられるが、全く無視しながら出国審査を済ます。出国審査を済ますと中国との国境に掛けられた橋(中国名:新中越友好橋、ベトナム名:モイ・キエウ橋)を渡る。橋のたもとにいる衛兵にパスポートを見せて、難無く中国側へ移動。中国側のイミグレーションで今度は入国カードに記入して入国審査。ところが何故か僕らは2人共10分間程かけてチェックされたが、結局何も問題なく通過できた。なにかの理由で中国・ベトナム人以外を入念にチェックしてるみたいで、理由を聞いてみたが何を言ってるのかハッキリと解らなかった。日本を出発してから一ヶ月半で、これでようやく中国の地、シルクロード出発点の国にたどり着いたことになる。

 中国に入国したは良いが、肝心のお金、中国元を持っていない。さっそく両替しなきゃと思い銀行を探してみるが、全く見当たらない。先に宿が見つかったので、部屋を見せてもらうことにした。TV・シャワー・トイレ・エアコン付きでツイン60元(約900円)。疲れていて他の宿を探すのも億劫なので、ここに決めることにした。しかし、肝心のお金が無い。フロントのおばちゃんに「どこか、両替できるところは無いの?(英語は全く通じないので、身振り手振りで)」というと、銀行の場所を教えてくれた。行ってみると、予想通り銀行は閉まってる。今日は土曜日でしかももう夕方7時過ぎだ。しかし中国元が無いと何も出来ない。仕方が無いので、ちゃんと処理してくれるのか不安だけど銀行の横にあったATMを使うことにした。持ってきていたCITI BANKカードで試すと、ちゃんと認証した。中国語で書かれた画面を睨めっこしながら、なんとか500元を引き出すことに成功。

 これでようやく食事にありつけると、近くにあったお店に入る。メニュー表をみると、麻婆豆腐など知ってる料理はわかるが、その他は見知らぬ漢語ばかりでさっぱり解らない。朝から殆ど口に入れてないし、なんでもいいから早く食べたいという気持ちから、適当に三品とライスを頼んだ。頼んだときの、店員の驚いたふうな顔をしていたが、その時は気にも止めなかった。が、注文の品が出てきたときは後の祭り。そうだ、すっかり忘れていた。中国での食事は一品づつを多人数で突きあって食べるのが基本。だから一品の量が半端じゃない。頼んだ三品は基本様式に違わず全て大盛り。たぶん5人で食べて丁度良いくらいだったろう。リーと二人で、山のような飯を空っぽの胃にヒーヒーいいながら詰め込んだ

手荷物詐欺(2006/03/12)

インターネットの情報で知った、雲南省にある町全体が世界遺産の"麗江 Li-Jiang"に行ってみたくなった。現在地"河口 Hekou"からの直通バスは無いので、その中継地点になる"昆明 Kun-Ming"に移動する。寝台バスで19:00発、翌日の朝に"昆明"へ到着する予定。

 バスチケット売り場に着くと、外国人だけを狙った詐欺野郎が話しかけてきた。駅や観光地で目聡く観光客を見つけては、英語や日本語で話しかけてくる奴は99%ワルだ。間違いない。奴らは外国人観光客、特に日本人を鴨としか見てない。当然、話しかけられても、速攻で「No!」と言い後はずっと無視しつづけるのが得策。大概の奴はこれで諦めるんだけど、中国に入ってから変わった。無視すると罵声を浴びせてくるようになった。中国語で言われると何を言ってるのかサッパリだからどうでもいいんだけど、「Fuck You 日本人」などと言われるとさすがにカチンときたので、ギロリと睨むとどっか行った。ようやく、ウザイのが消えたと思ったら、今度はスキンヘッドでチンピラ風のオッサンが片言の英語で喋ってきた。こういう輩が居なくなってくれると、もっと旅が楽しいものになるんだがなぁ。

 このオッサンはしつこい、無視しても、追い払っても、時間を置いては話しかけてくる。「チェンジマネー?」と言ってるので、たぶん闇両替したいんだろう。闇両替で公安に見つかって強制送還とかは勘弁なので、もちろんスルーだ。

 オッサンは無視して、英語の通じないチケット売り場の娘にメモ帳に書いた漢字を見せて、なんとか筆談で昆明行きチケットを買う。なんと、ガソリンの値上がりでガイドブックに書かれていた値段よりも幾分か高くなっていた。"河口"→"昆明"夜行寝台112元(約1,680円)だ。

 丁度昼になったので、昨晩食べに行った食堂へ。店に入ると昨日応対してくれた娘が覚えてくれていて、「グットモーニング」と言ってくれた。昨日の反省を生かして、今日は少なめに二品だけ頼む。中国に入ってから嬉しいことは、タダでお茶を入れてくれること。これで、食事の時の余計なドリンク代が浮いて大助かりだ。バスの出発19:00まで時間が有り余ってるので、ゆるりとお茶を楽しんだ。

 日が傾いてきたので、トイレを済ませ、バスの中で飲む水を買い、バス停へ再び向かう。バス停に行くと、あのしつこいオッサンがまだいた。出発30分前くらいになり、さてバスに乗るかと思った時、このオッサンが「私はこの駅のボスだ。乗車代とは別に大きな荷物代として1人20元払え」とちょっと頭のおかしい事を言い出した。どうみても誰も荷物代なぞ別途に払ってないし、なによりオッサンの服装はチンピラにしか見えない。 「あなたの言うことは信用できない。そのボスだという証明書を見せろ!」と言うと、オッサン「ちょっとまて」とどっかに消えていった。その間に僕らの乗るバスを探す。でも、バスの外観を眺めてもさっぱり判らないので、近くにいたバスの乗客らしきオジサンに聞くと、偶然同じ"昆明"に行く人で、こっちのバスだよと身振り手振りで教えてくれた。乗り込もうとした時、チンピラのオッサンが戻ってきて、よくわからない名簿のようなリストを見せながら、 「ほら、ちゃんとみんな払ってる」と言う。全然話にならないし、なんの証明にもならない。呆れ顔しながら、全く無視してバスに乗車。先ほど乗車するバスが判らなかったのを教えてくれた乗客のオジサンが、「荷物はベットの下に置けばいいよ」とまた身振り手振りで親切にも教えてくれたので、チンピラのオッサンは今度こそ諦めたみたいで、ようやく僕らの視界から消えてくれた。

 19:00になったが、バスは出発しない。「どうしたんだろう?」と思ってると、オバサンが乗り込んできて、「このバスは2時間ほど延着します。朝の9:00になります」「もう一本あとの19:20発なら7:00に着くので、急ぎの人は乗り換えて」と言う。もちろん僕らは中国語がさっぱりなので、筆談で教えてくれた。乗り換えるのも面倒だし、別段早朝に到着するメリットもあんまりないので、このバスで行くことにした。

 どうでもいいけど、バスはボロし臭い。二段ベットの骨組みも壊れかけていて、ガクガク揺れる。しかも悪いことに僕らは二人とも上の段だった。落ちたらたまったもんじゃない。それなのに、バスは未舗装の山道を60kmほどのスピードで走る。真横は崖だ。カンボジアのポイペト→シェムリアプ間並の悪路でスリル満点。

 一時間ほど、ジェットコースター状態を体感してると、崖崩れがあったようで、道が封鎖されてる。ずいぶん前から岩を除けるショベルカーが作業していたらしく、そこでは30分ほど立ち往生しただけで済んだ。

 途中の村々で客を次々と乗せながらバスは進んでいく、みな都市部へ出稼ぎに行くような感じの人が多い。さらに3時間ほど進むと、今度は公安の人が突然バスに乗り込んできた。みんな証明書を見せている。僕らはパスポートを見せる。中国入国のイミグレーションの時のように念入りに調べられた。他の人は梱包された荷物まで空けさせられていた。ここまで念入りなチェックが入るのはやっぱり国境付近だからだろうか。こんな状況では全然寝られない。横目で窓から暗がりの外を眺めていると、何気に景色がすごい。どんどん山を登っている。「こりゃすごいなー」と感動してたら、急に空気が変わった。河口では春のような陽気だったのに、いまバスの窓から入ってくる空気は冬の刺すような冷たさ。そういえば"昆明"は標高1,890mの高所にある。その目指す先の"麗江"はもっと高く2,400m。常夏の国から北上してきた僕らは、そのまんま夏服しか着ていない。こんな服装で大丈夫だろうか、と思いつつ布団を頭から被ってベットから落ちないように体を固定して、なんとか眠りについた。

雲南省・昆明へ(2006/03/13)

やっぱりこのガタガタ揺れの中、普通に眠れるわけが無い。深夜2時頃だろうか。突然尿意が来た。朝まで保つだろうか?としばらく我慢してると、バスの調子が悪いのか、道の脇にバスを止めて、運転手がエンジンを見ている。(チャンス!)と思い、バスを降りて、何も無い山の中で暗闇に向かって放尿。すると他の乗客も皆同じく我慢していたようで、ゾロゾロとバスから降りてきて、みんなで連れション状態になった。

 昆明に近づくと、道も整備されてきてバスの揺れも少なくなり、4時間ほど眠ることができた。朝の9時半に"昆明 Kun-Ming"に到着。昆明は"河口 Hekou"よりも、やっぱり中国という感じがする。実際に河口はベトナム人が沢山いて、中国という気がしなかった。

 なにわともあれ、まずは両替をしなければ話にならない。中国では外貨両替してくれる銀行が決まっていて、そこでしか両替が出来ない仕組みになっている。その外貨両替をしてくれる中国銀行を探すが見つからない。大きなホテルだったら両替してくれるかもしれないと、目の前にあったホテルのフロントで聞いてみるが「当ホテルに滞在してないと両替できません」と断られてしまった。今度は中国人民銀行という大きな外観の銀行があったので、ここならどうだろうと入ると、警備員がよってきて「どうした?」みたいなことを、中国語で言うので、持ってきた会話集で「外貨はどこで、両替できますか?」という項目を見せると「ここでは両替できないよ。向こうの道沿いにある所でしなさい」と身振り手振りで教えてくれた。そこにいってみると、なるほど中国銀行があった。現在の日本円レートは1元=15.1円。ややレートが悪いような気がするが、そうは言っても金がないと始まらないので両替する。

 やれやれと、近くにあった"昆湖飯店"で今日は泊まることにした。ツインで50元(約750円)シャワー・トイレは共同。中国では交通費が物価に比べて高いように思うが、その代わり宿代や食費がすごく安い。昼食にチャーハンと鍋物(名前忘れた)と小龍包10個を頼んだけど、14元(約210円)で済んでしまった。安くてやっぱり旨い。

 食事の後、明日の"麗江 Li-Jiang"行きのバスを予約する。ここでも「ガソリンが値上がりしたためにバス代が上がりました」の掲示があった。実際本当に高い。麗江まで8:00発、所要9時間で一人175元(約2650円)もした。中国で一番の障害は、この高い交通費になりそうだ。

シャングリラへ(2006/03/14)

昆明から北西へ約600mの距離、標高2,400mにあるシャングリラと評された雲南省のナシ族自治県"麗江 Li-Jiang"へ向かう。

 昨日購入したバスチケットを持って長距離バスステーションで麗江行きのバス探すが、同時刻の8:00に出発する他の都市行きのバスは沢山あるけど、麗江行きのだけが全く見当たらない。おかしいと思い、駅員に聞くと「このバスに乗って」と言う、行き先を見ると麗江とはどこにも書いてない。不信に思ってもう一度、チケットと麗江という文字を見せて聞いてみても、これのバスだと言うのだから、そうなのだろう。(もしかして、途中下車になるのかな?)と思っていたら、やはりそうだった。15分ほど走ると、バスは別の場所にあるターミナルに到着し、車掌が「バスを乗り換えてください。」と言ってきた。どうやら、麗江行きのバスはチケットを買ったターミナルからは発車してなかったようだ。

 言われて乗り換えになったバスに乗車すると驚いた!それはもう超がつくほどの豪華バス。液晶TVが天井から自動でウィ~ンと出てきて、ジャーキー・チェンの映画が見れるし、横3列シートで座席はゆったり、飛行機のビジネスクラス並だ(乗ったこと無いけどな)。おまけにミネラルウォーターと昼食付きだった。これだけ、高性能・豪華バスは日本でもほとんど見かけることは出来ない。175元(約2,650円)もしたのも納得できる。

 そして、このバスはエンジン性能が格段に良いのか、ものすごいスピードで走る。麗江までの高速道路はかなり綺麗に整備されているので余計だ。120km前後は出ていただろう。パトカーをあおって追い抜いていったのは驚いた。高速を降りると今度は山越え。まるで、白山スーパー林道のような景観の山道をぐんぐん登っていく、標高は3,000メートル前後だろうか。

 夕方5時に麗江に到着。バスターミナルについて、町に出て感じた事は嬉しい驚き。どこにでもいた客引きが全くいない。それと人も穏やかで、ゆったりとしているし、中国人特有の声量の大きい口喧嘩みたいな話し方をしない。おまけにそこかしこで、民族衣装を着た人を見かける。20年前に麗江を訪れた人は観光地化されてしまった現在の麗江に嘆いたというが、僕にはこれでも十分情緒たっぷりと感じることができ、来て良かったと素直に思えた。

 とりあえず中心街まで行き、安宿を探す。料金を聞いてみると麗江のホテルは高い。普通に200元(約3,000円)オーバーするので、僕らには厳しすぎる。なので、中国では本来、星付のホテルでしか外国人は泊まってはいけないという制約があったのだが、2003年から制限が撤廃されたらしい。なので今までは中国人御用達であったホテルよりも安価な宿である"招待所"という所で泊まってみることにした。これなら本当に安い。安いところなら15元(220円)で泊まることが出来る所もある。しかし、綺麗さや設備はやっぱり値段相応だ。僕らが泊まることに決めた招待所(麗江来賓招待所)は2人で60元の双人房(ツインルーム)。一応TVとトイレ・バスルームもついていて、それ以上に受付スタッフの人当たりがよく、思っていたよりも悪くない。

 まだ、日が明るかったので、麗江古城の町並み散策に出かける。驚いた事に観光客多すぎ。瓦屋根の旧日本家屋に似た建物が密集する中、これだけの観光客がワラワラいると、まるで伊勢の"おかげ横丁"か京都"太秦映画村"にでも来たような感じで、情緒もへったくれも無い。なので、人の居ない方へ居ない方へと、ドンドン石畳の階段を上っていくと、いつの間にか麗江古城の真横に鎮座する"獅子山"の頂上に来ていた。頂上に位置する"萬古楼"という楼閣に登ると麗江の町並みがすべて見渡せる最高の景色が見えた。しかも嬉しいことに夕方だからだろうか、まるで人気がなく僕らで楼閣の天辺から夕日に照らされた麗江の町並みを楽しむことができた。ここからみるとまるで、江戸時代の日本にタイムスリップしたような感覚に陥る。さらに、北の方角をみると、雪を頂いた標高5596mの"玉龍雪山"も見える。
麗江古城の町並み麗江古城の町並み2
 それにしても、空気が薄い。石畳の階段をのぼるだけで、「はぁはぁ」息が苦しくなるし、少し頭痛もする。そしてやっぱり寒い。

麗江・玉泉公園(2006/03/15)

起きたら、11時だった。疲れがたまっていたようだ。折角天気もいいので、歩いて行ける所にある玉泉公園に向かう。玉泉公園に着くとビックリ!ガイドブックには入場料20元と書いてあったのに、60元(約900円)に値上がりしている。三倍も値上がりとはどういうことだ。でも、よく料金表のところを見ると、学生半額の文字が...。ようやくタイで作った偽学生証が活用できる。結局のところ、半額の30元で購入できた。偽学生証は150バーツ(約450円)で作ったので、丸々元がとれた。

 玉泉公園は思った以上に綺麗なところで、公園内にある湖水はすごく澄んでいて、すこし青みがかった色をしている。それにくわえ、湖の奥には標高5,596mの"玉龍雪山(ぎょくりゅうせつざん)"が見えて、すばらしい眺めだ。日中はここで、ぼんやりとまったりと時を過ごした。

玉泉公園
玉泉公園から見る玉龍雪山 帰り道、中国に入ってほとんど見かけなかった、インターネットカフェをようやく見つけた。喜び勇んで入る。中はパソコンでネットゲームをする人ばかりで、他の国とは雰囲気がまるで違う。まるでゲームセンターのようだ。しかし料金は1時間2元(30円)と格段に安い。

白沙村(2006/03/16)

今日はレンタサイクルで、玉龍雪山方面に向かっていってみようと思う。面白い事に二人乗り自転車を貸し出していた。めったに乗れる機会が無いので、これで行ってみることにした。二人乗りだから、二人同時で漕いだらかなり早く進むんじゃないかと思っていたら、ところがどっこい、ムチャクチャしんどい。自転車が長くなる分だけ車体が重いのと、リーが自転車漕ぐのをすぐにサボる。困ったもんだ。

二人乗り自転車
麗江の綺麗に舗装された道 ほとんどの道が綺麗に舗装されているので、走りやすいけど、目指している所は"玉龍雪山"。当たり前のように近づけば近づくほど、上り坂になっていく。二時間ほど走り、筋肉が痙攣し始めた頃に"白沙村(バイシャ)"というところに着いた。ここは本当にひなびた農村といった感じで、かなりのんびりとしている。しかも、村の建物や石畳が昔からの形で一部分は残っていたので、完全に観光地化されきってしまった市内の"麗江古城"よりも、昔の風情が感じられる。

白沙村
馬が草を食べていて、のんびりした様子 村をさらに北に向かい、玉龍雪山を目指す・・・・が、なだらかな丘を登りきったところで、挫折した。だって、玉龍雪山のロープウェイ地点まで後20kmとの標識を見てしまったんだからしょーがない。しかしながら、この丘からの眺めだって素晴らしい。麗江古城を一望できてしまう。横では馬が草を食べていて、のんびりした様子だ。しばらくボーっとしてから、一気に市内にもどった。帰りは下り坂ばかりなので楽チン。

刀削面(タオシャオメン) 市内に戻って、早い夕食をとる"刀削面(タオシャオメン)"との看板を見つけたので、ここで食べることにした。刀削面は4.5元(68円)。手打ちうどんの引き伸ばす前のこねた粘土の塊みたいなのを、文字通りに刀で削いで、削ぎながら沸騰した鍋に飛ばし入れている。うまいこと入るもんだ。
 食べてみると、本当にうどんのような味だ。美味い。表現するなら、辛い四川風ラーメンの汁のなかにコシの強いきし麺を入れたような。
 それにしても今日一日でかなり日焼けした。標高が高いから、その分紫外線が強いのだろうか。

再び昆明(2006/03/18)

観光地化され、もはや噂のシャングリラでは無くなってしまっていた麗江を離れる。次の目的地は世界遺産で有名な風景区の"九寨溝(きゅうさいこう)、ジューザイゴウ/Jiu Zhai Gou"に行きたい。そのため、拠点となる四川省"成都(せいと)、ツェンドウ/Chengdu"に向かう。だが、不便なことに麗江からはバスも鉄道も成都には繋がっていない。なので同じ道を戻り、再び昆明まで戻ってから、成都に向かうことになる。

朝日に照らされた玉龍雪山 恥ずかしながら、麗江にきて今日初めて、バスに乗るために早起きした。"早起きは三文の得"というが、なるほど、良いものが見られた。街中から見えた朝日に照らされた"玉龍雪山"。離れるのを躊躇しそうなぐらい綺麗だった。

 おかしなことに、麗江⇔昆明のバス料金が来た時と変わっている。175元(保険料込)だったのが、今日見ると155元(2,325円)になっている。よく理由がわからないけど、まあ安くなったのなら、いいやと思いバスを待っていると、往路の時は超豪華リムジンバスだったのが、目の前に来たのは段違いのボロいバスだった。(たった20元(300円)の差でこれかよッ!)

 約8時間乗って、昆明に到着したのは午後4時過ぎだった。このまま寝台列車に乗って成都に行こうかと思ったけど、残念ながら本日20:10発の分はすでに完売状態で、明日の分さえも売り切れ間近だったので、急いで購入。成都まで18時間。硬臥(ハードベット)220元(約3,200円)。月給が500元前後の人が何億人もいる中国の物価からみて、交通費がこんなに高いのは何故だろうか。