「ウルムチから西安まで」中国を一人旅した2001年夏の日記

「ウルムチから西安まで」中国を一人旅した2001年夏の日記の画像

西安は古都長安のことだ。街が城壁で囲まれているのは驚いた。西安は北京以上に霞みがかっている。500m先はもう白くなってほとんど見えない。

8月27日

朝、6時半に起きて準備する。まずはトイレにいったのだが、この旅初めて、頑張っても出てこない。しょうがないので、そのままチェックアウトする。
外にでるとうまい具合に、タクシーがいたので、空港までいってもらうように漢字を見せたりしても、ちょっとわかってもらえない。そこにちょうど、手荷物預かりで話したドアマンの兄ちゃんがいたので、代わりに言ってくれた。

空港にちょっと早く着きすぎたようだ。まだ7時20分だ。
早めだが、空港税を支払いチェックインカウンターに入る。
チェックインカウンターで航空券を見せるものの、
「まだこの航空券のチェックインは始まってないから待ってください」と言われる。
まあもっともだ。早く来すぎるほうが悪い。

10時発の飛行機だ。大抵チェックインは2時間前から始まるから、まだ30分ある。
その間、待っていることにする。
それにしても、ウルムチ飛行場のチェックインカウンターはおかしいほどに隔離されてトイレもない。
空港税を払ってチェックインカウンターに入ると元に戻れないのだ。だからさっさとチェックインして前に進むしかない。

こんな隔離されている状態で、案の定、朝出なかった物が出てこようとする。
ものすごい便意だ(^^;「やばい、早くチェックインしなければ~~~~~」と思っているのにもかかわらず、西安行きの飛行機だけがまったくチェックインを開始してくれない。
これはおかしいと思い。電子掲示板のフライト予定表を見てみる・・・・・・・・( ̄□ ̄;)!!
11時30分だと!!! なに!? 延期と書いてある。10時発の飛行機が遅れて11時30分発になってしまったのだ(涙)
ま、まあ中国ではよくあることだ。突然の延期は、まあ、それは許そう。
でも、の便意はどうしてくれるんだ(汗)
っということはだな、11時30分の二時間前ってことは9時半か・・・・今は8時、一時間半もこの猛烈な便意と戦い続けなければならないのかぃ。

は、チェックインカウンターを睨みながら、ずっと耐えてます。もう、耐えて耐えて耐えて、第6次陣痛が治まったぐらいの時。信じられない光景を見てしまいました。
やはり、みんなと同じで便所がないため便意と戦っている人がたくさんいるようです。
そんな中で驚いたのが、いきなり壁に向かって立ちション!(本当です)
さすがには大きい方ですから真似してやるわけにはいきません(当たり前)

耐え抜いてようやく9時20分にチェックインが始まりました。
始まった瞬間、のように突然の延期で西安行きをずっと待っていた人たちが一斉に走り出して我先にと並びます。僕もがんばったんですが中国人パワーには負けました(だってやつら平然と順番抜かしするんだもん)

チェックインをクリアすると今度は手荷物検査です。
こんなもん引っかかるはずがないとタカをくくっていたんですが、ひっかかりました(涙)
ウイグルナイフが(笑)
荷物調べられて、ウイグルナイフを一時的に没収されて西安で渡すからと色々書類書かされました。
はもう、「ウイグルナイフあげるからさっさとトイレいかせろ!」ぐらいな状態でしたが・・・。
そのあとトイレへ、もう10時です。便意を催してから2時間。よくがんばった自分。自分で自分をほめたいと思います(マテ
そりゃもうトイレでは 出るでるでるでる な感じでしたよ。

それから搭乗を待ちます。でも11時になっても搭乗が始まりません。
おかしいなと思いつつ待っていたら 11時30分に搭乗開始です(遅れすぎ)
結局12時にフライト。ウルムチから西安までは2時間40分です。は無駄に早起きしたから(本当に無駄だった)眠かったので寝てました

西安に着いて、まず最初に感じたのは寒いってこと。
夏だから本当は暑いんですが、トルファンやウルムチから比べると温度が10℃ほど下がったからです。まあ、それほど内陸は暑かったということでしょう。

それにしても、市内に行くバスを探すもぜんぜんないではないか。
しかたないからタクシーで行く(空港にはかなり大勢の客引きがいるから市内までいくことにはそんなに困ることはない。高いけどね)
というかがバスを探してうろうろしているのを後からつけていきたのか、おばちゃんに声をかけられる。最初は無視していたんだが、バスがぜんぜんないのであきらめておばちゃんにのせられることにする。

おばちゃん「160元(2400円)で市内まで行くよ」と、あまりにも高すぎる値段を言ってきたので、100元(1500円)にまで下げさせる。それでも高い気もするが、早くホテルに行きたいからこれで決める。
おばちゃんが携帯でタクシーかを呼び寄せているんだが、なかなか来ない。15分後にきたのは、なんかオンボロの普通の車だ、タクシーでもなんでもない。もう、なんでもいいから 乗る。

市内まで40分ぐらいかかった。西安中心地に入るときびっくりしたのは、西安自体がまるまる城壁で囲まれている。さすが、昔の都長安だけある。
ホテルに着いておばちゃんに100元払う。そしたら、おばちゃん「サービスに私はちょっと英語がしゃべれるのでホテルの部屋とるの手伝います」(たぶんこんなことを言っていたんだと思う)といってついてきた。別に来なくてもいいんだけど。

今回から、ホテルのグレードをちょっとあげることにした。一泊408元(6120円)だ。値段交渉したけど、無駄だった。ちっ、おもしろくない。
結局、ここに四泊だ。宿泊手続きの時、フロントの人が何かを聞いているのだがよくわからない。書いてもらうもののますますわからない。こうゆうときこそおばちゃんがいるのだ。
おばちゃんは英語でなにか文字を書き出した。
「Where city」・・・・・・・・・・・・・・・・
なんだ?こりゃ? 一番大切な動詞がないって! もしかしての出生地を聞いているのか?

が当惑していると、後ろから日本語で声をかけられる。日本語のうまい中国の方だ。
この人に色々助けられる。結局言いたかったことは西安の後はどこにいくのか?ということだった(上海です)
ここのホテル今までのホテルになかった朝食がついている。ラッキーだ。
そうこうして、手続きが終わってみると、いつの間にやらおばちゃんがいなくなっていた(^^; おばちゃん、全然役に立たなかったよ。

部屋に入る、うむ、なかなかよいではないか。すべてがそろっている。後は、インターネットがつながれば文句無し。ためしてみる・・・・・無理だった(T^T)

今日は、もう遅いし食べに行くことぐらいしかできない。というわけで、餃子のコース料理をやっている店をみつけたのではいる。
最初に出てきた餃子が、この世の物とは思えないぐらい、くそ不味かった(なんか薬の味がした。もしかして見るだけの餃子だったのかも、真っ黄色だったし^^;)ので、はずしたかと思ったが、後から出てきた餃子はむちゃくちゃおいしかった。
中華一番(漫画)で出てきた四隅に分けた餃子とかも出てきてうれしい。すごくいろいろな餃子を一人で食べたものだから、今晩もまた下痢かと思っていたのだが、最後にでてきたスープを飲むと、ふっとお腹が楽になった。不思議だ。これが中国4000年の食文化のなせる技なのか!
餃子宴

余談ですが、今日の日記は部屋のトイレで書いてます。何故かって?
それはトイレしか蛍光灯がないのです。実は旅行してからホテルの部屋の薄暗くしか照らしてくれない明かりの下で毎日日記を書いていると、どうも目が悪くなっていたらしく、今日も空港で文字がぼやけて往生しました。ということで、トイレにノートパソコン持ち込んで書いてます(^^; かなり怪しい格好、尻も痛いし(笑)

8月28日

起きると11時半。せっかく朝食タダで食えるのに、起きられなかった(T^T)
外を見ると何か薄暗い、窓を開けてみると雨が降っているではないか(T^T)
まあ、今日は近場で行けるところに行くしかない。と外に出てみると夏だというのに寒いではないか!

一度、部屋に戻って上着を取ってくる。再び外へ。
でも、よく考えると傘持ってきてない。とりあえずどこかに売っているだろうと飛び出す。
1,2km歩いてようやく傘を売っている店を発見。折り畳み傘15元(225円)で購入。
キティーちゃんがペイントされてあったが、これ以上雨に濡れたくないにとって、もはやどうでもいいことである。

とりあえず、鐘楼のある西安の中心へ向かう。よくわからず、感だけで突き進んでいたがちゃんと行き着いたようだ。
着いたはいいが、車が鐘楼の周りを走り回っているので近づけないではないか。
鐘楼しかたないので鐘楼近くにある鼓楼の方に登る。眺めはなかなかのものだ。ここには大太鼓が置いてあった。
鼓楼

それはそうと、上海までいく航空券のリコンファームをしなければならない。
鐘楼近くに中国国際旅行社があると地球の歩き方に書いてあるから探しているのだが全然見つからない。
まあ後でいいやと思い、これまた近くにある陝西省博物館に向かう。向かう途中、ちょうど国際旅行社ではないが、ちがう旅行会社をみつけたのでここでリコンファームをしてもらおうと入っていく。

話したのは若い女性でラッキーだ。さらに英語もしゃべれたので助かった。彼女が言うにはこのチケットはリコンファームの必要はないという。色々しゃべっていると
「We are トモダチ」と言われてしまった(早いねぇ、もうお友達です)
こちらも旅の行程などを話すが、旅行会社の人だしあまり長く話していられないので、博物館に行く。

博物館は30元(450円)だ。この博物館は見るところが何カ所にも別れているのですごく歩き疲れた。見所としては玄奘が書いた石盤だ。他にも色々すごいものがあるのだが、にはさっぱりわからないし、あまり興味もない。後、おもしろかったのは何故か日本の小学生~高校生が書いた習字が展示されていたこと。

博物館を歩き回ってかなり疲れたし、お腹も空いてきたから、ホテルに戻りつつ食べるところを探す。
色々、見て探していたんだが、良さそうなところが見つからず、結局ホテルに戻ってしまった。しかたがないので、ホテルにあるレストランへいく。
ここは食券制らしい。チャーハンと餃子を頼む。まあ、おいしくもなく不味くもない、普通だ。

部屋に戻ると、雨だったし今日は結局トータル10kmは歩いたことからか、すごく疲れていたらしく、ベットに転がっていると眠っていた。

起きると午後8時だ。このホテルでも実は「マッサージどうですか?」と電話が毎日かかってくる。でも前のホテルとは違い一回断ると、その日はもうかかってこなくなるからいいんだが。

8月29日

今日も11時に目覚めてしまい朝食券が使えなかった(T^T)
だが、昨日から降り続いていた雨は上がっている。
ともかく、今日は兵馬俑を見に行くのだと決めていたので、早速、西安駅まで行き兵馬俑行きのバスを探す。

探しているのだが、これがまたよくわからん。見つからずうろうろしていると案の定声をかけられる。 一日周遊ツアーに行かないか?という話だ。35元(525円)だから悪くはないと思い承諾。

バスに乗ると、いきなりツアーで行くところの入場料も先にもらっておきますと217元(3255円)とられる。たしかにすべての入場料を合わすとこうなるから、渋々渡す。

ツアーは全員で15人ぐらいで、北京の万里の長城へいったツアーと同じくみんな中国人だ。
違うのはガイドが二人もついていたことで、どちらも英語を少ししゃべれたので今回は非常に楽だ。

バスは初めよくわからないガイドブックにも載ってないところに止まる。兵馬俑の一部とかが展示されていたが、全体的にここはなんなのかさっぱりわからないまま、次の場所へ移動する。

次は、おもしろい。世界の色んな遺跡を模倣して、薄暗いところを歩いて行き世界遺跡を体験できるところだ。これもガイドブックにはまったく載っていない。おもしろかったんだが、このときから、急にお腹が痛くなり腹の痛みを耐えながらのツアーになる。

今度はたぶん始皇帝の陵墓の地下宮殿を模倣したような所に行ったのだが、この場所はもう自分の腹との戦いで必死だったのでよく覚えていない(^^;

これの次に行ったのは秦始皇陵だ。やっとガイドブックでも載っているところである。秦始皇陵はもちろん始皇帝の陵墓だ。
秦始皇陵ここは陵墓の上の方まで上れ、眺めがすばらしいのだが、はそれどころではない。登って適当に見て回り、すぐに降りる。なぜならここはトイレがあることを確認したからだ。トイレに向かって一直線に駆け下りる。
相変わらず、トイレットペーパーがなかったからポケットティッシュで間に合わす。うーむ、やはり下痢だったようだ。でも出したらすっきり回復した。
これでようやく、落ち着いて観光ができるというもの。

次に来たのは、お店だ。ツアー客を店につれてきてなにか買わそうというわけだ。
そこで僕は、玉石の腕輪が見ていたら欲しくなってきたので買うことにした。280元(4200円)だったのを、「まけて」といったらあっさり160元(2400円)にしてくれた。吹っ掛けすぎだろ。

次は、昼だというのでレストランに連れて行かれる。そこで18元(270円)でくそまずい麺を食べる(でも朝からなにも食っていなかったから、全部平らげる)
食べ終わった後、ガイドさんに「兵馬俑のある秦俑博物館にはいつ行くのだ?」と聞くと「次に行きますよ」と言われる。いよいよです。

兵馬俑、すごいです。何千体もの兵士がビッシリとならび、しかもそれぞれ顔や服が違うのです。度肝を抜かれます。
他にも、青銅の剣や弓、矛なども展示されていて、青銅の剣などは刃が鋭く、当時の技術の最先端を駆使して作られたんだろうということがわかります。
兵馬俑一号杭

次に訪れたのは、華清池近く。華清池は玄宗皇帝と楊貴妃のロマンスの地で、楊貴妃がここの温泉で肌を洗ったという浴池があることでも有名。
はてっきりこの華清池に行くのかと思ったら華清池のすぐ近くのなんとか山を登るはめになりました。
でも、ここ頂上から見下ろすと華清池がそっくりそのまま全部見渡せるので、景色は最高です。ガイドさんとも一緒に登りながらしゃべって仲良くなったから良し(マテ
華清池全景

ガイドさんに聞くと、この山は1500mあるそうです。彼女は毎日ガイドのため登っているという。すごく健康によいですな。
下山したころにはもう午後7時で、あたりは暗くなっていました。これでツアーは全部終わりなので西安市街地に戻る。

ホテルに戻る途中、の好きな黒汁ゆで卵が売ってあったので買う。2個一元(15円)だ。
ホテルに戻って、ホテル内にあるまだ行っていない中華料理店に入る。
そこで、なんちゃらチャーハンとスープに西北狼というビールをたのむ

最初に出てきたのはスープだ。ビーフシチューみたいでおいしい。
次にきたのは、シューマイとかをいれる丸くて蒸すやつがテーブルに置かれたので、あれ?チャーハンじゃなかったっけ?と思いつつ、あけてみると、チャーハンが蒸し器に入っている。正しくは大きな葉っぱにチャーハンがつつまれている。それにタコやイカや白身の魚がまざっていて、見るからにおいしそうだ。
蒸したチャーハン

食べてみる・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・うっ

うまいぞおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!!(ミスター味っ子の味王風)

やばいうまさだ。天上界の食べ物かと思った(^^; 
これはが生まれてから食した食べ物の中で五本の指に入るかもしれない。
蒸しているから雑炊に近いのだが、それなのにチャーハンの歯ごたえの良さが残っているから不思議だ。
量的には、3人分ぐらいあったのだが、一人で平らげてしまった。
そりゃもう今、の体を輪切りにしたら、イカめしのようにご飯しか詰まってないんじゃないかというぐらいだ(^^;
こんなにうまいもんくって全部で47元(705円)だもんな。中国に住みたくなるよ。

8月30日

昨晩はベットで転がっていると、いつの間にか眠ってしまったようだ。今が12時半だから、14時間も寝てしまったことになる(^^;
外を見るとまた雨が降っている。よく雨が降るところだ西安は、トルファンとは大違い。
もう、兵馬俑も見てしまったので、特に見たいところはないのだが、歩いて行けそうなところといえば興慶宮公園に行くことにする。 といってもホテルから5km離れているのだが。

とりあえず、外に出てあのキティーちゃん傘を使い歩き出す。
ずいぶん歩いて西安を取り囲んでいる城壁の外まで出る。今日初めて城壁の外を歩いて出たことになるから、じっくり見たのは初めてだ。外堀まであるとは知らなかった。本当に城塞都市なのだな西安。
西安の城壁 端が見えない

興慶宮公園に入るには10元(150円)とガイドブックに書いていたのだが、5元(75円)ですんだのでうれしい。興慶宮公園には玄宗皇帝と楊貴妃が遊んだ沈香亭や遣唐使に選ばれて唐に行き、科挙に合格し、唐の玄宗に才を認められ、政府の要職を歴任した阿倍仲麻呂の記念碑もある。
まず、最初に阿倍仲麻呂記念碑を見に行く。離れたところにポツンと建っていて寂しそうな石碑だ。
阿倍仲麻呂記念碑

石碑の横には親友の李白が阿倍仲麻呂の死を悼み詠んだ詩が刻まれていた。

李白の哭晁衡詩

次に池の中の小島になっているところに建つ沈香亭に行く。景色はよい、まあそれだけだ。
玄宗と楊貴妃が遊んだ沈香亭他にブラブラと公園内を歩き回って、ホテルに戻ることにした。
帰りは、行きとは違うルートで城壁沿いを歩いて帰った。
宴会を開いた花萼相輝楼

ホテルに戻り、少し休憩してから、昨日食べて驚くほどおいしかった、ホテル内の中華料理店に行く。
今日は、牛肉と白菜の料理、菊菜の料理にご飯とビールだ。やはりうまい。ここの中華料理店は腕のいい料理人がいるようだ。ここまでおいしい中華はめずらしい。43元(645円)と値段も手頃だし。

ここは隴海大酒店というホテルの二階にある中華料理店。
もし西安に行く機会があるなら、是非いって食べてみてください。さらに、このホテルの一階には解放路餃子館というさまざまな餃子をコースで出してくれるところもあるのでついでに行くのもおもしろいと思います。